結婚式すごいという話
大変わたくしごとですが、先週の週末人生で初めて結婚式に出席し、とにかく幸せな1日を過ごしたので記しておきます。もしこれを読まれていたらお二人へのラブレターの意味も込めてます。おめでとうございます、そしてご招待ありがとうございました。
*ピュアな愛ってすごい
普段の人間関係は仕事にしてもプライベートにしても、どこかしらに駆け引きがありギブ&テイクがあると思う。ギブとテイクのバランスを図りながら、人は自身の欲求を発散し、妥協し、時に我慢し、関係性を構築していく。
一方、結婚式はもう既に祝福する側とされる側が予め設定されているから、招待された側は全力で新郎新婦を祝福しに行くし、招待した側は感謝と、幸せになることを誓うことのみを全うする(その為の準備とか段取りとか沢山あってそれが一番大変なんだろうけど)。
両者の間に一切の利害関係がなく、祝福という軸で役割が決定しているという時点で空間として既にめちゃくちゃ特別だった。
比較対象がないので分からないけど、新郎新婦のお二人は愛されキャラでユーモアに溢れていて、なんというか招待された側の「祝いたい」という気持ちがすごくて、その愛情とエネルギーでいっぱいになった式場にいるだけでニコニコが止まらなかった。
新郎の周りのよくいる仲間たちが徹夜で手伝って、余興の練習をして、「大変だわ〜」とか言いながらどこか楽しみにしている声色や、新郎の言葉に笑ったり必死で動画や写真を撮ったりする姿や、全てから新郎新婦への愛が滲み出ていて、「人間ってこんなにピュアに人の幸せを祈る生き物だったんだなあ」と、人類に対しての希望と愛に溢れるというよく分からない状態になった。
私が地味だけど一番泣きそうだったポイントはケーキ入刀の時で(みんなにそこ?って言われたけど)、新婦を見つめるお父さんの目がとにかく優しくて愛おしそうで、ああ、めちゃくちゃ大事に思って育ててきたんだろうな、今日まで生きてきた新郎新婦の命は本当に尊いなあ、という謎の視点で目頭が熱くなった。
他にも結構泣きそうだったのだが、花嫁入場の時の新郎さん(私を招待してくださった方)の表情もとても良かった。花嫁入場の時の参列者って多分花嫁を見るものだしそれがマナーだと思うんだけど、どうしても花嫁が入場してきた時の花婿側の表情が気になってしまって、一人だけ反対の方向を向いていたら目が合って、嬉しいような決まりの悪いような照れたような泣きそうなような、なんとも言えない顔で目配せをしてきたので、「幸せかよ!」と思わず笑ってしまった。
新郎新婦からの来場者への愛情もまた深くて、ちょくちょく挟まれる小ネタはもれなく面白かったし、私のような個人に対しても、そもそも一回しか会ったことないのに招待してくれ、コンテンツのネタとして名前を出してくれ、弊社のロゴも載せてくれ、ダーズンローズの一本をくれ(ちなみに”誠実”と書かれたものをくれたので「お!私は誠実なのかな?誠実になれよってことなのかな?とにかく一生誠実であろう」と強い決意をしたのだが、後日本当は”信頼”を渡す予定だったということを知った。どっちでも嬉しい!)、祝いに来たはずのこっち側が彼らからの「あなたを想ってるよ」というメッセージをたくさんたくさん頂いてしまった。
そんな感じで式中、私はシャワーどころかもはや滝行かというくらい利害が全く含まれない愛情を浴び続け、幸せで心がふやけそうだった。マジで結婚式すごい。
*一族になるということ
私は家族というものの認識が人とちょっと異なる。
周りにも家族がいなかったり少なかったりする人が多いので、家族が一番!みたいな価値観にピンと来ない。もちろん私は二人の親の間に生まれたし、私の親もその親も同様で、だから私が存在しているのはいわゆる家族というものから派生しているのは頭ではわかっている。
けれども人生の中心に家族がいるという感覚が本当に分からないのだ。
でも結婚式(というか入籍?)は、法律的にも気持ち的にも家族になることを表しているんだよなあ。だから親御さんも来るし、そうやって血縁みたいなものが続いてゆく様子を見て、人々は自身がこの世に繋がっていることを確認するのかなあ。
まあ、自分たちの精子と卵子が出会って細胞分裂をして生まれて一人で歩いて、また新しい家族という単位を持つなんて、よく考えたら奇跡だしすごいことだよなあ。自分が親だったらそんなシーン絶対見逃せない。
ムービーにもおじいちゃんおばあちゃんを含めた一家で撮った写真なんかが挟まれていて、今でこそ結婚するということは愛し合う二人が一緒にいることを公的に誓う色が強いけど、本来は一族の一部となりその血を渡してゆくことの意味も強いのかな、と起源を調べ始めたら日本神話から始まったので諦めました。詳しい人教えてください。
愛し合う二人が死ぬまでの愛を誓う、みたいなのは感覚的には分かるんだけど、一族となる、みたいなのはなんだかまだよく分からない。核家族化した現代社会においてきっと私のような考え方はどんどん加速してゆくのだと思う。
でも自分の血が誰かから受け継がれ、受け継いでゆくことを実感できる瞬間ってきっと美しいのでしょうね。
*主役であること
結婚式も二次会も本当に楽しかったし幸せだったし、こんなに一日中誰かの幸せを願うこともなかなかないだろうし、自分に経済力があれば毎日でも出席したいと思った1日だった。同席した人も「こういうの見たら早く結婚したいって思うよねえ」と言っていた。
けど、私は逆に永遠にその日が来なければいいのに、と少しだけ、本当に少しだけ思った。
その日はとにかく新郎新婦が主役であり、全員の意識も愛も彼らに向けられる。それが私に耐えられるだろうか、と不安になったのだ。
私の愛情を受け取って味わうための器はすごくすごく小さくて、その愛を受け止めきれないだろうし、受け止めきれないことを申し訳なく思って死にたくなって逃げ出してしまう気がする。あと、結婚式以上に幸せな日が来なかったらどうしようとも思う。我ながら本当に情けない理由だ。
と、不安を抱えて「やっぱ結婚すべき?」と後日新郎に話したら、タバコを吸いながら「結婚式はマジですべきだわ。離婚してもいいから結婚して。来年とか」と言われ、考えすぎていた自分が馬鹿だったなと思った。
いやはや、本当に素敵でした。家族の愛、パートナーへの愛、新郎新婦への愛、新郎新婦からの愛、どれをとってもきらきらしていて温かくて幸せだったなあ。
私もそんな愛おしい結婚式が来年挙げられるように頑張ります。逆算すると時空歪むけど大丈夫かな…。
ボス、ミカさん、本当におめでとうございます!末長くお二人が幸せであるよう、死ぬまで祈ってます。